発刊のことば


通信三田会は昨年創立50周年を迎えました。昭和27年3月第1回卒業生34名を誕生させてから、半世紀を経て10,931名の塾員を数えるに至っています。私たちはこれを記念して、いろいろな行事を行いました。
 第2次大戦後まもなく大学通信教育制度は施行されました。教育の機会均等を目指した新しい学問の扉は、多くの向学の志に燃えた青年に道を開き、社会へ有意の人びとを送り出してきました。そして、半世紀を迎える今日では、初期の機会均等の課題を超越して、一度ならず二度目の勉学に燃える人たちが入学者の過半数を占めるという、生涯教育の場として活用される時代となったのです。
 通信教育学生は、ともすれば孤独に陥る学習環境の欠点を補うために、クラスを作って仲間と切磋琢磨してきました。わずか数パーセントの卒業率の壁を乗り越えて卒業したとき、塾員としての喜びと誇りを共有したのが三田会であったのです。通信塾員が三田会を作って、後輩塾生に同じ喜びと誇りを持てるように、励ます活動に力を注いだ熱意には特別な思い入れがありました。

創立50周年を記念するに当たって、全国津々浦々の地域通信三田会と全国を結ぶ「通信三田会」が、活動してきた足跡をふりかえって、多くの先達の心意気を偲び、活動の証しとしての記録としたい、という試みとして本冊子を編集しました。

10年前の創立40周年記念時に作成した冊子「日はめぐる丘の上」と「会報縮刷版」を土台にして、各種資料を再調査し、草創期の塾員諸氏のご協力を得て、本委員会が整理してまとめました。

本冊子は、通信三田会活動の年表を軸にして、主要活動の内容を分担して若干の説明を加えました。地域通信三田会についても収集しましたが、ほとんど集まりませんでしたので、年表の記録にとどめました。何分、すでに先輩塾員の多くが他界されている事情もあって、残念ながら記録として残すことができなかった部分もあることを付記しておきます。

諸先輩たちの多大な努力に敬意を表すとともに、この資料が今後の通信三田会の目指す方向を考えるうえで参考になれば幸いです。


本資料が作成されている時に、会の名称が「全国通信三田会」と規約改正で変更になっていますが、本資料では過去の呼称である「通信三田会」を統一して使用しています。

平成15年2月      全国通信三田会 会史調査委員会 


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